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ブログ
2025.08.09
日本酒の世界には、数多くの銘柄が存在しますが、その中でも特に注目を集めるのが三重県名張市に位置する木屋正酒造が手掛ける「而今(じこん)」。
その名は「今この瞬間を大切にする」という哲学に由来し、飲む者に深い感動を与える日本酒として知られています。
このブログでは、而今の歴史、使用されている酒米、そして有名・定番銘柄について、日本酒初心者から愛好家まで、而今の魅力を存分に感じていただける内容をお届けします。

「而今」を語る上で欠かせないのが、その歴史です。而今を醸す「木屋正酒造」は、三重県名張市にある、創業1818年の老舗蔵元。しかし、而今の誕生は、比較的最近のことです。
木屋正酒造は、かつては地元向けの普通酒を醸す、いわゆる「地酒蔵」でした。しかし、時代と共に日本酒の消費量が減少し、蔵の存続が危ぶまれるようになります。そんな中、蔵の存続をかけた挑戦として、若き蔵元杜氏・大西唯克氏が立ち上がります。
大西氏は、伝統的な日本酒造りから一歩踏み出し、現代の嗜好に合わせた、フルーティーで飲みやすい日本酒を目指しました。そして、試行錯誤を繰り返すこと数年。2005年、ついに「而今」が誕生します。
「而今」という銘柄には、「過去や未来に囚われず、今を大切に生きる」という意味が込められています。この言葉は、まさに当時の大西氏の心境そのものだったのかもしれません。
「而今」が全国的な人気を博するようになったのは、2000年代に入ってからです。特に、酒米の選定や醸造技術の進化により、フルーティで洗練された味わいが特徴の日本酒が生まれ、若者や女性、日本酒初心者にも広く受け入れられました。
さらに、流通量が限られているため「幻の日本酒」とも称され、プレミアム感が人気を後押ししています。SNSや口コミを通じてその評価が広がり、飲食店や日本酒専門店での取り扱いも増え、而今は日本酒界のトップブランドの一つとなりました。
「而今」のあの独特の味わいは、どのような酒米から生まれるのでしょうか。而今では、様々な酒米を使い分けて、それぞれの個性を最大限に引き出しています。
而今で使用される主な酒米は以下の通りです。
山田錦は、「酒米の王様」と称される日本酒造りに最適な酒米で、而今でも主力として使用されています。兵庫県を中心に栽培される山田錦は、粒が大きく、心白がしっかりしており、高精米にも耐えられる特性を持っています。これにより、雑味が少なく、華やかでバランスの良い味わいの日本酒が生まれます。而今では、特に純米吟醸や大吟醸に山田錦を使用し、フルーティな香りとまろやかな口当たりを実現しています。
山田錦を使用した而今の日本酒は、バナナやメロンのような果実香が特徴で、口に含むと滑らかで深い旨味が広がります。特に冷やして飲むことで、香りと味わいが一層際立ちます。
雄町は、岡山県で1859年に発見された歴史ある酒米で、山田錦や五百万石のルーツとしても知られています。粒が大きく、心白が豊富で、ふくよかでコクのある味わいが特徴です。而今では、雄町を使用した特別純米酒や純米吟醸があり、しっかりとした米の旨味と力強い味わいが楽しめます。雄町の而今は、燗酒にしても美味しく、濃い味の料理との相性が抜群です。
広島県を代表する酒米。粒が小ぶりで、心白が大きく、やわらかな味わいが特徴です。八反錦で醸した日本酒は、軽快でキレのある、さらりとした飲み口になります。而今では、この八反錦の軽やかさを活かし、フルーティーでフレッシュな味わいを表現しています。
八反錦と同様、広島県で生まれた酒米。八反錦よりも粒が大きく、心白も大きいのが特徴です。千本錦で醸した日本酒は、米の旨みとキレのバランスが良く、ふくよかながらも軽快な味わいになります。而今では、この千本錦のバランスの良さを活かした、万能な味わいの日本酒を造っています。
愛山は、兵庫県で栽培される希少な酒米で、「酒米のダイヤモンド」とも呼ばれる高級品種です。粒が大きく、心白が豊富で、甘みとコクのある味わいが特徴です。而今では、愛山を使用した純米吟醸が特に人気で、青リンゴや白い花のようなフレッシュな香りと、滑らかで柔らかな舌触りが楽しめます。愛山は生産量が少なく、入手困難なため、而今の愛山シリーズはプレミアム感が強く、特別な場面で選ばれることが多いです。
これらの酒米を、それぞれの特性に合わせて使い分けることで、「而今」は多彩な表情を見せてくれます。どの酒米の而今を飲むかによって、全く違う味わいを楽しむことができるのも、而今の大きな魅力の一つです。
「而今」には、様々な種類の銘柄があります。どれも個性的で美味しいですが、まずはここから飲んでみてほしい!という、有名・定番銘柄をいくつかご紹介します。

而今の定番中の定番。而今の入門編として、まずはこちらから試してみることをおすすめします。華やかでフルーティーな香りと、瑞々しい旨みが特徴です。口に含むと、まるで果実を頬張ったかのような、フレッシュな味わいが広がります。飲み飽きることなく、何杯でも飲めてしまう、そんな魅力を持っています。

而今の代表的な銘柄。特別純米よりも、さらに華やかでフルーティーな香りが楽しめます。口に含むと、米の旨みがより一層感じられ、バランスの取れた、上品な味わいです。而今の真骨頂を味わいたいなら、この純米吟醸は外せません。

而今の最高峰銘柄。山田錦を40%以下まで精米し、丁寧に醸されています。華やかで気品のある香りと、透明感のある、きめ細やかな味わいが特徴です。而今の持つ、美しさを極限まで追求した、まさに芸術品のような一本です。特別な日の乾杯に、ぜひ飲んでいただきたい銘柄です。

而今の中でも、特に根強い人気を誇る銘柄。雄町で醸した而今は、山田錦とは一味違う、力強くも奥行きのある味わいが特徴です。米の旨みが強く、コクのある、飲みごたえのある一本です。雄町好きにはたまらない、個性的な魅力を持っています。

而今の中でも、比較的軽快で爽やかな味わいが特徴の銘柄。千本錦で醸した而今は、フルーティーな香りと、きめ細やかな旨み、そしてキレの良い後味が楽しめます。和食との相性も抜群で、食中酒としてもおすすめです。
今回は、日本酒「而今」の魅力について、その歴史から、使用される酒米、そして有名・定番銘柄まで、徹底的に解説してきました。
而今の魅力は、その美味しさだけではありません。若き蔵元杜氏・大西唯克氏の「今を大切に生きる」という熱い想い。そして、伝統的な酒造りに囚われず、常に新しい挑戦を続ける姿勢。これらの情熱が、而今という奇跡の酒を生み出しているのです。
また、様々な酒米を使い分け、それぞれの個性を最大限に引き出すことで、多彩な味わいを私たちに提供してくれています。どの銘柄を飲むかによって、全く違う表情を見せてくれるのも、而今を飲む楽しみの一つです。
まだ而今を飲んだことがないという方は、ぜひ一度、その魅力に触れてみてください。そして、すでに而今ファンだという方は、今回ご紹介した銘柄を参考に、改めて而今の奥深い世界を探求してみてはいかがでしょうか。
而今という日本酒は、私たちに「今を大切に生きる」というメッセージを伝えてくれます。美味しいお酒を飲みながら、そんなことを感じてみるのも、また一興かもしれません。