買取日

2025.11.04

ウィスキー

ハイランドパーク 18年 ヴァイキングプライド 高価買取致しました！

ハイランドパーク 18年高価買取致しました！

ハイランドパーク蒸留所は、スコットランドの最北端、オークニー諸島のメインランド島に位置しています。この蒸留所は、荒々しい自然環境と豊かな歴史が融合した特別な場所で、200年以上にわたり、シングルモルトウイスキーの世界に独自の輝きを放ち続けています。アイラ島のウイスキーのような強烈なピートスモークとは一線を画し、優しく香ばしいピートのニュアンスと、ヘザー（ヒース）の花から連想されるハチミツのような甘さが絶妙に調和した、バランスの取れた味わいが特徴です。ハイランドパークのウイスキーは、ヴァイキングの遺産を思わせる力強さと洗練されたエレガンスを併せ持ち、世界中のウイスキー愛好家から「オークニーの宝石」と称賛されています。今回は、この蒸留所の歴史、生産プロセス、製品ラインナップ、そして特に象徴的な「18年ヴァイキングプライド」について、詳しくご紹介していきます。オークニーの風土が育んだこのウイスキーは、単なる飲み物ではなく、北の島の物語を語る詩のような存在です。

ハイランドパークの歴史

ハイランドパークの物語は、18世紀末の1798年にさかのぼります。この年、教会の役人でありながら密造酒の製造者だったマグナス・ユンソンという人物が、キルウォール近郊の高台「ハイランドパーク」の地に小さな蒸留所を構えました。ユンソンはヴァイキングの子孫を自認しており、教会の地下室でこっそりウイスキーを蒸留していたという逸話が残っています。当時のスコットランドでは、密造酒が横行しており、税務当局の目を逃れるためにさまざまな工夫がなされていました。ユンソンの活動もついに摘発の危機に瀕しましたが、1798年に合法的な蒸留免許を取得したことで、ハイランドパークは正式に誕生します。この年は、今も蒸留所の公式な設立年として祝われています。

初期の運営は、ユンソンの甥であるロバート・ポルソンを中心に進められました。ポルソンは地元の需要を満たす生産体制を整え、19世紀初頭には安定した基盤を築きます。しかし、蒸留所の本格的な発展は、1826年に新たな免許を取得した頃から始まります。オークニー諸島は、古くからノルウェーとスコットランドを結ぶ交易路として栄え、ヴァイキングの文化が色濃く残る土地です。蒸留所の名前「Highland Park」は、キルウォールの高台に由来し、周囲のヘザー原野や海の景色がウイスキーの個性を形作りました。

19世紀中盤、蒸留所は複数の所有者を経て、1895年にジョン・スコッチが買収します。スコッチは設備を近代化し、伝統的な床モルティングを維持しながら生産効率を向上させました。20世紀に入ると、ハイランドパークは国際的な評価を獲得します。1920年代のアメリカ禁酒法時代でも、密かに輸出され、現地で人気を博しました。1950年代には、エドワード・ゴールディング社に買収され、以降の成長を支えます。1970年代には、スティルを3基に増設し、生産量を拡大。現在はエドリントングループの傘下で運営されており、年間約300万リットルの原酒を生産しています。

2010年代に入ると、ヴァイキング神話をモチーフとしたブランディングを強化し、「ヴァルハラ・コレクション」をリリースします。2020年代の今も、持続可能な生産を推進し、地元オークニーのコミュニティと連携しています。この蒸留所は、ユネスコ世界遺産の候補地に名を連ねるほどの文化遺産です。歴史を通じて、ハイランドパークは「伝統の守護者」として、ウイスキー界のベンチマークを築き上げてきました。

生産プロセス

ハイランドパークのウイスキーが持つ独特のキャラクターは、生産プロセスの細部に宿っています。オークニー諸島の厳しい気候と豊かな自然資源が、すべてを支えています。蒸留所は「5つのキーストーン」と呼ばれる原則を掲げており、これらがウイスキーの魂を形成します。

まず、モルティング工程です。多くの現代蒸留所が工業的なモルトを購入する中、ハイランドパークは今も自社のフロアモルティングを続けています。蒸留所の床で大麦を湿らせ、手作業で広げて発芽させます。この過程で、地元ヘザー原野から採取したピートを燃やして乾燥させます。ピートの煙は穏やかで、アイラ島のような強烈なスモークではなく、優しいアロマティックなニュアンスを生み出します。さらに、ヘザーの花をピートに混ぜる独自の手法が、シグネチャーである「ヘザーハニー」の甘い風味を加えます。このモルティングは、手作業中心で、年間約2万トンの大麦を処理します。

次に、発酵と蒸留工程です。モルトを粉砕し、温水で糖化させた後、酵母を加えて発酵させます。発酵槽はステンレス製ですが、伝統的な木製のものも一部使用しています。蒸留所には3基の銅製スティルがあり、すべて伝統的な形状を保っています。ウォッシュスティルで1回目の蒸留を行い、スピリットスティルで2回目をします。このスティルは細長く、ゆっくりとした蒸留を促し、軽やかでフルーティーな蒸留液を生み出します。水源は隣接するクリフス・オブ・クォイからの軟水で、ミネラルが少なく、クリーンな味わいを保証します。新酒のアルコール度数は約63-65%です。

熟成工程は、ハイランドパークの真髄です。主にスペイン産ヨーロッパオークとアメリカンオークのシェリー樽を使用し、特にファーストフィル樽の比率が高いです。これにより、豊かなフルーツとスパイスのレイヤーが加わります。オークニーの涼しい気候（平均気温8-10℃）がゆっくりとした熟成を促し、蒸発損失を最小限に抑えます。貯蔵庫は海風の影響を受け、塩味の微かなニュアンスをウイスキーに与えます。全体のプロセスは持続可能性を重視し、地元産大麦の使用率を高めています。こうした工程が、ハイランドパークを「バランスの王者」と評される理由です。

製品ラインナップ：ヴァイキングの系譜を辿る

ハイランドパークの製品ラインナップは、多様な年齢指定と限定リリースで構成され、初心者からコレクターまでを魅了します。コアレンジは「ヴァイキング・オナー・シリーズ」で、北欧神話を象徴するネーミングが特徴です。

• 12年 ヴァイキング・オナー エントリーレベルながら、蒸留所のエッセンスを凝縮しています。シェリー樽熟成で、ヘザーハニーの甘さと軽いピートスモークが調和します。鼻にオレンジピールとバニラ、口にスパイスとナッツのニュアンスが広がり、フィニッシュは穏やかなスモークで締めくくります。日常の伴侶として愛されます。
• 18年 ヴァイキングプライド 後ほど詳しくお話ししますが、蒸留所の誇りを体現するフラッグシップです。複雑でリッチ、賞を総なめにした名作です。
• 21年 ヴァイキング・レガシー ヨーロッパオークのシェリー樽中心で、ダークチョコレート、ドライフルーツ、ヘザーの複雑なレイヤーを展開します。鼻はリッチなレーズンとトフィー、口はクリーミーなテクスチャーとタンニンのバランスが秀逸です。フィニッシュは長く、塩キャラメルの余韻を残します。
• 25年、30年、40年、50年 熟成の深みを追求したプレミアムレンジです。25年はエキゾチックなスパイスとトロピカルフルーツ、30年はウッディな深みと花の芳香を加えます。40年や50年は歴史を象徴し、シルキーな口当たりと多層的なアロマで知られます。

限定エディションとして、「ヴァルハラ・コレクション」があります。Thor（力強いピート）、Loki（トリッキーなスパイス）、Odin（叡智の深み）などのリリースです。ピートレベルを調整し、実験的な味わいを提案します。また、「プログレス・レポート」シリーズやトラベルリテール向けの「ダーク・オリジンズ」、シングルカスクリリースも人気です。ラインナップ全体が、伝統から冒険までをカバーしています。

18年 ヴァイキングプライド

ハイランドパークのラインナップで特に輝くのが、18年 ヴァイキングプライドです。このウイスキーは、5つのキーストーンを称えるトリビュートとして位置づけられ、ウイスキー専門家F・ポール・パカルト氏から「世界最高のスピリッツ」と絶賛されました。主にファーストフィルシェリーシーズンドのヨーロッパオークとアメリカンオーク樽で18年間熟成され、アルコール度数は43%です。ボトルはクラシックなデザインにヴァイキングのモチーフを刻み、持つだけで歴史を感じます。

香り グラスに注ぐと、熟れたチェリーをビタースイートなココアでコーティングしたような豊かなアロマが広がります。新鮮なハチミツの収穫感、キャンディードオレンジピールのシトラス、そっと寄り添うオークニーの塩海風、そしてアロマティックなピートスモークのささやき。これらが織りなすメロディは、優雅で誘惑的です。

味わい 口に含めば、同じ洗練されたメドレーが広がります。チェリーのジューシーさとココアのビターが融合し、ハチミツの甘みがクリーミーなボディを支えます。オレンジの爽やかさと微かなスパイスがアクセントを加え、ピートは主張しすぎず全体を調和させます。テクスチャーは滑らかで、飲み手を選びません。

余韻 フィニッシュは中庸の長さで、甘美な余韻がゆっくりフェードアウトします。最後にはヘザーの花びらのような繊細さが残り、心を落ち着かせます。

この18年は、2018年と2019年のUltimate Spirits Challengeでチェアマンズトロフィーを獲得、2021年のInternational Spirits Challengeでは96点のゴールドメダルとUltimate Recommendationを授与されました。ハイランドパーク史上最も受賞歴の多いシングルモルトです。味わいのバランスが若々しさと熟成の深みを両立させ、「完璧なハーモニー」と評されます。ディナーのアフタードリンクや瞑想的な時間に最適です。ヴァイキングプライドは、ハイランドパークの魂を宿したタイムカプセルのような存在です。

まとめ

ハイランドパーク蒸留所は、オークニーの風と海が育んだウイスキーの詩篇です。1798年の密造から始まった旅は、床モルティングの伝統、シェリー樽の魔法、ヴァイキング神話のインスピレーションを通じて現代に至ります。ラインナップの多様性は、12年の親しみやすさから18年ヴァイキングプライドの洗練、ヴァルハラの冒険までをカバーします。

この蒸留所は、ウイスキーを造る場ではなく、北欧の遺産を伝える守護者です。グラスに注げば、ヘザー原野が蘇り、ヴァイキングの炎が心を温めます。機会があれば、ぜひ味わってみてください。きっと、オークニーの物語に触れられるはずです。

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